2016年4月16日土曜日

売場は、陽性のストローク(交流)があふれていますか?



「日本一視察が多いといわれるスーパー、ハローデイ。」

そう囁かれる企業が福岡県にあります。中堅規模のスーパーですが、ここの売り場のコンセプトは「アミューズメント・フードホール」。

趣向を凝らしたディスプレーやアイデア満載の商品が客を迎えます。
魅惑の売り場で顧客の心をつかむハローデイは見方によって奇異に見えることもありますが、決してそうでないのは小売業の本質を抑えていることにあります。

買い物はアミューズメント。
楽しみなのです。

快適に楽しめるように、大企業、中小企業問わず小売業に限らず改善に改善を重ねてきたのです。

ハローデイは働く楽しさ、買う楽しさを、「アミューズメント・フードホール」というコンセプトを通して創出し続けて、顧客の支持を何年も獲得し続けてきているのです。



時は生き物、変わり続けているわけですから、続けるとは、変化し続けていることを意味します。

時代が求めるニーズに応えられない企業は古今東西問わず顧客に見放されてきました。
接客力で企業価値を向上させるのは時代の要請であり、それに応えられるように研鑽している現代。

快適さという視点で接客を考え、実行されていないと、あり方を間違え行動を間違えて、しかも気がつかないということが起こってきます。

時代が求める快適さはどんどん変わっています。
快適さも変わるので、接客も変わります。
向上しない接客は、どんなに優れていても「飽きた」と言われます。

飽きない接客とは、より温かいストローク(交流)を実現することです。
顧客はいつも同じサービスを受けられることで安心しますが、より温かいストローク(交流)を得られないと「飽きた」と感じます。

ストローク(交流)は、自分とお客様とのストローク(交流)考えるかも知れませんが、そうではありません。

あなたの家庭で考えてみてください。
お母さんが、子どものあなたとの間で温かいストローク(交流)をしてくれていたら、あなたは安心できるはずです。

しかし、そのお母さんが、あなたの目の前で、お父さんとの間でストローク(交流)を断絶していたり、陰気なストローク(交流)を展開していたら、あなたは安心できますか?

できませんね。


つまり、顧客は目の前のあなたとだけ交流しているのではなく、店全体と交流しているのです。もし店全体がまじめすぎる接客をしていたら、お客様は陰性なストローク(交流)しか得られていない可能性が高いのです。

この改善ができるのは「店長」だけなのです。

家でも同じです。お父さんかお母さんが店長よろしく責任を引き受けないと、家族全体が温かい陽性のストローク(交流)はできることはないのです。

もし、店長が(あるいは責任者が)個人の接客の改善にだけ気を奪われていたとしたら、チームとして温かい陽性のストローク(交流)ができているか、どうか見失います。
もっとも個人の接客の改善なしに、チームとして温かい陽性のストローク(交流)はできませんが。

つまり店長とスタッフは目的・目標が違うということです。

接客力が高く見えるスタッフがいます。
この種の人は新人や後輩から尊敬されます。
「あの人のようにできるようになりたい」と思われます。

しかし接客力が高く見えるのと温かい陽性のストローク(交流)をしているか、どうかは別の次元なのです。
接客力が高く見えるとはソツなくできている人を指している場合が少なくないのです。
するとこの人が店の限界になる場合が少なくないのです。
陽性のストローク(交流)ができない売場になってしまうのです。

そうすると、どうなると思いますか?
ソツなくやっているので、店全体の見た目の接客力はあるように見えるけど、温かみがないという売り場が出来上がってしまいます。
誰も温かい陽性のストローク(交流)をしていないからです。

ところが働いている人は信頼の高い接客力の高い先輩に憧れ、指導を受けスタッフ間で温かいストローク(交流)をしているので、温かいストローク(交流)をお客様との間でもしていると錯覚してしまうのです。

この状態を私は「できのいい先輩による職場の私物化」と言います。
もちろん本人にそんな意識はありません。
しかしその人がいる限り、店長が変わろうが、後輩が変わろうが、売り場の改善は進まないのです。

これを改善するには配置転換が一番簡単ですが、「できる先輩」なので店長も重宝します。
知らずに「職場の私物化」を認めてしまうのです。
「できる先輩」も成長する機会を失います。

温かいストローク(交流)とソツのない接客は次元が違います。
マニュアルでやってなくてもソツのない接客はマニュアルとみなされます。
感動がないからです。感動は陰性のストロークでは絶対に起こりません。
陽性のストロ−クがあってから、感動は起こります。

アメリカ仕込みのユニバーサルスタジオでは、観客にわざと水をかけます。
陽性のストロ−クを仕掛けているからです。
この種の悪ふざけはアメリカでは当たり前のようにやります。
お客を楽しませるのが仕事だから温かいストローク(交流)を試みるのです。

真面目な日本人は苦手です。
その真面目には、言い過ぎにしても「責任逃れ」という側面、顧客満足より、自分に目線がいってることに気をつけましょう。




さあ、やり過ぎよう、生き還ろう

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